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=さんげめつざい／懺悔滅罪=
自らが犯した罪や[[悪業]]を告白し反省することによって、それらの除滅を期すること。[[仏教]][[教団]]では律にしたがって罪状とそれに応じた処罰が規定されており、[[教団]]を追放される<ruby>四[[波羅夷]]罪<rt>しはらいざい</rt></ruby>（婬・盗・殺・妄）を除いては、いかなる罪であろうとみな[[懺悔]]告白した上で規定のとおりに罰せられ、処分された後に出罪（[[滅罪]]）することが定められていた。[[大乗戒]]においては[[釈尊]]から戒を授けられるので、罪は[[釈尊]]をはじめとする仏・[[菩薩]]に対して告白[[懺悔]]し、また軽罪であれば自ら反省することで[[滅罪]]を期した。[[浄土教]]においては、「[[浄土三部経]]」に[[懺悔滅罪]]の文言を見ることはできないが、[[善導]]は[[懺悔]]を特に強調している。『[[往生礼讃]]』では[[十方]]諸仏・[[三宝]]・[[衆生]]に対し、<ruby>[[随犯随懺]]<rt>ずいぼんずいさん</rt></ruby>、要略広の[[懺悔]]、上中下の三品[[懺悔]]など様々な方法を説いて、「今生に法を敬い人を重んじ、身命を惜しまず、[[乃至]]小罪までも、もし懺すれば、即ちよく心に徹し髄に徹せしむることを致す。よくかくのごとく懺ずれば、久近を問わず、あらゆる重障頓にみな滅尽す。もしかくのごとくならざれば、たとい日夜十二時に急に走れども、すべて是れ益なく、<ruby>作<rt>な</rt></ruby>さざる者のごとし。知るべし、流涙流血等をよくせざると雖も、ただよく真心徹到すれば即ち上と同じ」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J04_0374 浄全四・三七四上]～下／[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V47.0447a.html 正蔵四七・四四七上]）と述べるほど徹底した[[懺悔滅罪]]を説いている。また『[[法事讃]]』上でも、身口意[[三業]]に犯した罪を[[懺悔]]すべきことを説き、それぞれ[[懺悔文]]を唱えたあとに、「いま[[道場]]の<ruby>[[凡聖]]<rt>ぼんしょう</rt></ruby>に対し<ruby>発露<rt>ほっろ</rt></ruby>[[懺悔]]し、永く尽くして余なからしめよ。[[懺悔]]しおわり[[至心]]に[[阿弥陀仏]]に[[帰命]]したてまつる」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J04_0026 浄全四・二六上]～八下／[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V47.0435c.html 正蔵四七・四三五下]～六下）とある。『[[観念法門]]』では一生以来の身口[[意業]]の造罪をありのままに[[懺悔]]し、[[懺悔]]したならば[[念仏]]すべきことを説き、また「罪を滅せんと欲さば…[[仏像]]の前に於て自撲[[懺悔]]すること大山の崩るるが如し。地に<ruby>婉転<rt>おんでん</rt></ruby>して<ruby>号哭<rt>ごうこく</rt></ruby>し、仏に向かいて日夜相続して死に至るを<ruby>期<rt>ご</rt></ruby>となし。…今この経を以て証するに、[[行者]]等、[[懺悔]]せんと欲する時、亦た此の教の法門に依れ」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J04_0238 浄全四・二三八上]～下／[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V47.0029a.html 正蔵四七・二九上]～中）とあるように『[[観仏三昧海経]]』に基づいて自撲[[懺悔]]を説いている。これは自らの罪に対する自虐的な[[懺悔]]法であり、隋朝に勅命で禁止されてはいるが、それすらも実践して[[滅罪]]を期していた。なお、[[法然]]は[[念仏]]による[[滅罪]]を説くも、[[懺悔]]による[[滅罪]]を強調することはない。
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【参照項目】➡[[懺悔]]
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【執筆者：齊藤隆信】