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念仏聖

提供: 新纂浄土宗大辞典

ねんぶつひじり/念仏聖

市聖いちのひじり」「阿弥陀聖あみだひじり」と称された空也らの影響を受けて平安時代中期以降に発生した、寺院を離れて念仏を営むことで極楽往生を志す僧(ひじり)。念仏聖の多くは別所と称する宗教施設を活動拠点として、市井において民衆に浄土信仰を普及する役割を果たしており、高野の新別所を拠点とした高野聖の存在は広く知られている。法然比叡山黒谷別所念仏聖を出自としており、法然によって確立された専修念仏の理論は高野聖をはじめとする念仏聖に影響を与えた。


【参考】井上光貞『新訂 日本浄土教成立史の研究』(山川出版社、一九七五)、吉田清『源空教団成立史の研究』(名著出版、一九九二)、伊藤唯眞『聖仏教史の研究』上・下(『伊藤唯眞著作集』一・二、法蔵館、一九九五)


【参照項目】➡高野聖高野の真別所別所


【執筆者:冨樫進】