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=こじ／居士=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
資産家の男性、あるいは、[[仏教]]の男性在家[[信者]]のこと。ⓈgṛhapatiⓅgahapati。前者は、インドの[[四姓]]制度のうち、第三階級であるヴァイシャ（商工業などに従事する庶民階級）の富豪を意味する。『十誦律』七に[[居士]]を定義して「[[居士]]とは王と王臣と及び婆羅門種を除く、余の在家[[白衣]]、是を[[居士]]と名づく」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V23.0047b.html 正蔵二三・四七中]）といい、『長[[阿含]]経』二二「世記経」に、<ruby>刹利種<rt>せつりしゅ</rt></ruby>・<ruby>婆羅門<rt>ばらもん</rt></ruby>種・[[居士]]種・<ruby>首陀羅<rt>しゅだら</rt></ruby>種を列挙し（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V01.0149b.html 正蔵一・一四九中]）、また『中[[阿含]]経』一「木積喩経」に「刹利、梵志、[[居士]]、工師」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V01.0425b.html 正蔵一・四二五中]）と列挙されるものがこれに当たる。『[[大智度論]]』九八には、この意味での[[居士]]を挙げた上で「[[居士]]とは真に是れ居舎の士にして[[四姓]]中の[[居士]]に非ず」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V25.0742a.html 正蔵二五・七四二上]）として後者の意味も示す。おそらくこの『[[大智度論]]』の説を受けて<ruby>[[浄影寺]][[慧遠]]<rt>じょうようじえおん</rt></ruby>は『維摩義記』一末に「[[居士]]に二有り。一には広く資産を積み財に居するの士を名づけて[[居士]]とし、二には家に在りて道を修し居家の道士を名づけて[[居士]]とす」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V38.0441b.html 正蔵三八・四四一中]）と述べ、資産家と在家の篤[[信者]]の両義があることを示す。
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【執筆者：齊藤舜健】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
⇨[[位号]]（いごう）