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「宿願」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:27時点における最新版

しゅくがん/宿願

宿世(前世・過去世)からの願い。特に仏・菩薩が前世に発した願のこと。阿弥陀仏法蔵菩薩であったときに発した願のこと。『大阿弥陀経』下に「皆な宿願の弘きに由る」(正蔵一二・三三四下)、『観経』第一三観に「しかるにかの如来宿願力の故に、憶想することあれば、必ず成就することを得」(聖典一・一七五/浄全一・四六)とあるように、本願と同義的に使用される場合もある。以前に起こした強固な願い。年来の願望のこと。「法華読誦の尼に専修念仏を示されける御詞」(『四十八巻伝』一九)には、「自ら千部の法華経を読むべき由、宿願のことありて、七百部はすでに読み終われり。しかるに年すでに長け侍ぬ」という状況にあった仁和寺の尼僧に対して、法然が「年寄り給える御身には、目出たく七百部までは読み給えるものかな。残りをば、一向念仏になされ候べし」(聖典六・二五一/昭法全七三六)と勧めたという記事がある。


【参照項目】➡本願


【執筆者:大屋正順】