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宗教団体

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゅうきょうだんたい/宗教団体

宗教活動を行うために組織された団体。類似する意味を持つ語として、宗教集団や宗教共同体などがあるが、宗教団体といった場合は組織化の程度が高い団体を指すことが多い。この場合の組織化とは団体内での役割が分化し、地位の序列化・体系化が行われていることを意味する。宗教団体には様々な構成要素が含まれ、主管者(教祖や主導者など)・教義・歴史・儀礼・組織・施設・信者などによって形成される。また、宗教団体内に宗教団体が生じることもあり、その場合は上位団体・単位団体として区別する。日本の場合、上位団体の性格は大きく二種類に分けられる。第一には、多くの伝統仏教教団のように単位団体を統括する役割を担う場合と、第二には、キリスト教新教系のように単位団体が先に存在しそれを連合・結集させる過程で形成された場合がある。前者では本山・本部といった中央に団体の起源・アイデンティティ・重要機関などが集中しやすいのに対し、後者では各々の単位団体がそれらを有していることが多いという違いがみられる。


【参照項目】➡教団


【執筆者:江島尚俊】


宗教法人法では、宗教教義をひろめ、儀式行事を行い、および信者教化育成することを主たる目的とする団体を宗教団体と定義している(二条)。宗教団体は、礼拝の施設を備える神社・寺院・教会・修道院その他これらに類する団体(同条一号)と、前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体(同条二号)とに区分される。これらの宗教団体は、法人格を取得して宗教法人となることができる(四条一項)。なお、憲法上、いかなる宗教団体も、国から特権を受け、または政治上の権力を行使してはならないとされ(二〇条一項)、また、公金その他の公の財産を宗教団体に支出し、またはその利用に供してはならないとされ(八九条)、政教分離原則が定められている。


【参照項目】➡宗教法人法


【執筆者:笠原慎一】