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安養

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あんにょう/安養

阿弥陀仏の「極楽世界」(羅什訳)の異訳語。用例として竺法護訳の『正法華経』に「安養国」(正蔵九・一二六下)、同訳『文殊師利仏土厳浄経』に「安養之国」(正蔵一一・八九五下)および「安養世界」(正蔵一一・八九九下)、康僧鎧訳『無量寿経』に「安養仏」(正蔵一二・二七三上)および「安養国」(正蔵一二・二七三上、二七四中)がある。『無量寿経』では極楽世界に「無量寿国」あるいは「無量寿仏国」という訳語を使用するが、「東方偈」の二ヶ所と対告衆阿難から弥勒に変更した直後の一ヶ所に「安養」の用例を見ることができる。現行康僧鎧訳『無量寿経』の訳語を精査すると、竺法護が使用する訳語との一致を多数確認できることから、『平等覚経』の「東方偈」内の「須摩提」を、現行康僧鎧訳『無量寿経』では竺法護が使用した訳語の影響のもと「安養」の訳語に変更したものと考えられる。なお、中国や日本では極楽世界の異名として早くから使用され、安養国・安養土・安養世界などの用例が多数ある。


【参照項目】➡極楽浄土


【執筆者:柴田泰山】