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奈落

提供: 新纂浄土宗大辞典

ならく/奈落

地獄のこと。ⓈⓅnarakaの音写語。那落迦・捺落迦・奈落迦・那落・捺落などとも音写される。Ⓢnarakaの語が最初に現れるのは『アタルヴァ・ヴェーダ』で、天界に対するものとして、最下の暗黒の世界とされる。地獄を意味する罪業の果報の場所としては、後期ヴェーダ時代以降の用例に現れる。日本では、『往生要集』上にある「調達は六万蔵の経を誦せしも、猶し那落を免れず」(浄全一五・七二上)といった地獄に堕ちる意味から転じて、「奈落の底」と表現される物事のどん底を意味する用語としても用いられる。また現在では、劇場の舞台や花道の地下室の名称にも用いられる。


【参照項目】➡地獄


【執筆者:榎本正明】