大善寺のソースを表示

=だいぜんじ／大善寺=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
横浜市都筑区南山田。[[光明]]山徳水院。神奈川[[教区]]№三九。開創については不明であるが、古くからこの地にあった小庵がもととなっており、弘治年間（一五五五—一五五八）に<ruby>[[留錫]]<rt>りゅうしゃく</rt></ruby>した禅徒の端蔵主が[[阿弥陀如来]]像を安置して小庵を復興するが再び荒廃。その後、天和年間（一六八一—一六八四）以前に覚[[蓮社]]本誉大阿[[善達]]が中興し、以来、[[浄土宗]]の[[寺院]]となる。寺名は[[善達]]の[[阿号]]と名に由来する。江戸後期には[[増上寺]]末の<ruby>[[触頭]]<rt>ふれがしら</rt></ruby>[[寺院]]であった。関東大震災によって[[本堂]]は倒壊したが、昭和四年（一九二九）に再建、近隣の宅地開発にともない、昭和から平成にかけて[[境内]]地・諸堂の整備が行われた。
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【資料】『新篇武蔵風土記稿』八五
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【参考】宇高良哲「浄土宗の触頭制度について」（『法然浄土教の綜合的研究』山喜房仏書林、一九八四）、『平成版浄土宗神奈川教区寺院誌』（神奈川教区教務所、二〇〇九）
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【執筆者：沼倉雄人】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
愛知県新城市西入船。宝乗山盛徳院。三河[[教区]]№三八。天文元年（一五三二）菅沼定継が片山細貝津（同市）に一宇を建立し、大膳庵と名付けたのに始まる。天正三年（一五七五）奥平信昌の正室亀姫の[[発願]]により寺基を当地に移し、信昌を[[開基]]、[[大恩寺]]一五世宗感を[[開山]]とし、[[大善寺]]として再興される。その後、当地歴代領主の[[帰依]]を受けて発展するも、万延元年（一八六〇）に下町の大火災に類焼して<ruby>[[塔頭]]<rt>たっちゅう</rt></ruby>[[寺院]]共々烏有に帰す。一六世謙瑞により仮[[本堂]]ならびに観音堂等が、大正八年（一九一九）に[[本堂]]が一八世曽根篤承により再建された。
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【参考】大原紋三郎『大善寺略史』（大善寺、一九七二）
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【執筆者：朝岡知宏】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">三</span>==
三重県伊賀市新堂。如日山輪王院。伊賀[[教区]]№三七。伊賀[[二十五霊場]]第七番。<ruby>[[触頭]]<rt>ふれがしら</rt></ruby>であった。天正一七年（一五八九）即誉智廊により開創。佐々木高光の[[菩提寺]]であった。慶長年間（一五九六—一六一五）欣誉[[長老]]により再興。中興は一一世信[[蓮社]]自誉。一五世信[[蓮社]]淳誉が[[本堂]]を再建。
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【資料】『蓮門精舎旧詞』一二（続浄一八）、『浄土宗寺院由緒書』上（『増上寺史料集』五）
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【参考】和田忠臣他監修『定本・伊賀百寺』（郷土出版社、一九九六）
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【執筆者：横井大覚】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">四</span>==
京都市伏見区桃山町西町。[[法雲]]山浄妙院。京都では通称、[[六地蔵]]の名で知られている。京都[[教区]]№二九〇。慶雲二年（七〇五）藤原鎌足の子、[[定慧]]によって創建され、仁寿二年（八五二）智[[証大]]師円珍が[[伽藍]]を再建し天台[[寺院]]として復興。その後、永禄四年（一五六一）に中興の祖、頓誉琳公（三河[[大樹寺]]登誉の[[弟子]]）により[[浄土宗]]に[[改宗]]。当初はこの地に六体の[[地蔵菩薩]]立像が祀られていたが、保元二年（一一五七）後白河天皇の勅命により京都の街道の入り口六ヶ所に六角堂が建てられ、一体ずつ分置された。以来、六体の地蔵を巡拝する[[六地蔵]]巡りの[[信仰]]が生まれ、現在も毎年八月二二、二三日には大勢の参拝客が訪れる。[[境内]]の[[鐘楼]]は徳川二代将軍秀忠の娘、東福門院が寄進したもので、また地蔵堂の[[地蔵菩薩]]立像は国重要文化財。
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【資料】『蓮門精舎旧詞』四（続浄一八）、『浄土宗寺院由緒書』上（『増上寺史料集』五）
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【参考】『六地蔵道大善寺誌』上・中・下（大善寺所蔵、一九三〇、西野伊之助）、『伏見誌』一〇（伏見町編纂、一九二二）
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【参照項目】➡[[六地蔵]]
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【執筆者：井野周隆】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">五</span>==
広島県三原市西町。増上山[[広度院]]。広島[[教区]]№二五。当初、小早川隆景の居城新高山城山麓にあったが、天正八年（一五八〇）隆景が三原城築城の際に現在地に移る。[[本尊]]は、伝[[快慶]]作の[[阿弥陀如来]]立像（県重要文化財）。承応元年（一六五二）徳川家光の<ruby>落胤<rt>らくいん</rt></ruby>とされる月姫の[[祈願]]所として徳川幕府より五千石の御化粧料を下賜され、三つ葉葵の使用が許される。月姫（[[法名]]月渓院）の墓所は、[[境内]][[墓地]]に<ruby>[[宝篋印塔]]<rt>ほうきょういんとう</rt></ruby>として現存。江戸時代は、<ruby>[[触頭]]<rt>ふれがしら</rt></ruby>としての役割も果たす。文政一〇年（一八二七）火災により焼失したが、再建され現在に至る。
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【執筆者：佐藤和順】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">六</span>==
東京都八王子市[[大谷]]町。観池山[[往生院]]。東京[[教区]]№四五二。[[関東十八檀林]]の一。通称滝山[[大善寺]]。天正一三年（一五八五）滝山城主北条氏照の[[開基]]。[[牛秀]]の[[開山]]。同一九年[[徳川家康]]から一〇石の[[朱印地]]をもらい、慶長一七年（一六一二）まで後に太田[[大光院]]に転住する[[吞龍]]が[[住職]]を務めていた。寛文一一年（一六七一）には[[法度]]に[[関東十八檀林]]として署名しているが、いつから[[檀林]]として[[僧侶]]の養成機関となっていたか明らかでない。二三箇寺の[[末寺]]をもつ名刹で、十夜[[法要]]は関東[[三大]]十夜の一つとして有名。かつては一〇月一三日から一五日までの三日間、[[境内]]は善男[[善女]]の参詣で賑わった。また往時には毎月八日に子育て[[吞龍]]の[[縁日]]がたった。慶応三年（一八六七）、明治一八年（一八八五）の両度火災にあったが復興。明治二年（一八六九）には勅願所となり、戦後は単立となるが、平成三〇年（二〇一八）に[[浄土宗]]へ復帰した。
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【資料】『滝山大善寺志』（浄全一九）
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【参考】宇高良哲『浄土宗檀林古文書選』（東洋文化出版、一九八二）【図版】巻末付録
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【参照項目】➡[[関東十八檀林]]、[[十夜会]]、[[滝山大善寺志]]、[[吞龍]]
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【執筆者：宇高良哲】〔2019年07月29日 改訂〕