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土葬

提供: 新纂浄土宗大辞典

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どそう/土葬

遺体を土中に埋める葬法のこと。火葬が主となる以前は、日本の主たる葬法であった。縄文時代には穴を掘り直接遺体を埋葬していたが、弥生時代になると遺体を木棺や甕棺かめかんに納め埋葬する形態が出現する。棺には、遺体の足を折り曲げて納める座棺と、遺体を横たわらせて納める寝棺があるが、埋葬場所を広く使わないため座棺が優勢であった。土葬の場合は、埋葬した上に土饅頭ができるが、動物が掘り返すのを防ぐための垣を作る例や、棺の上に息抜きの竹を立てる風習も見られた。昭和二五年(一九五〇)ごろには全国の土葬率は四六%を占めていたが、現在ではほぼ行われなくなっている。土葬を望む人が少なくなったとともに、都市化の波によって地方自治体からの許可が得にくくなったことなどがその理由として挙げられる。


【参考】藤井正雄・長谷川正浩編『Q&A墓地・納骨堂をめぐる法律実務』(新日本法規出版、二〇〇一)、土井卓治・佐藤米司編『葬送墓制研究集成 第一巻 葬法』(名著出版、一九七九)、藤井正雄・八木沢壮一監修『日本葬送文化大事典』(四季社、二〇〇七)


【参照項目】➡火葬


【執筆者:名和清隆】