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南都六宗

提供: 新纂浄土宗大辞典

なんとろくしゅう/南都六宗

奈良時代に成立した、三論・成実じょうじつ・法相・俱舎くしゃ・律・華厳の六つの宗。国家仏教として公認された宗である。「なんとりくしゅう」ともいう。華厳宗以外の五宗が先に成立し、八世紀中頃までには六宗の形になったとされる。九世紀に入ると、成実宗は三論宗付属し、俱舎宗は法相宗付属して教学が学ばれる付宗となった。平城京の諸大寺では六宗が併存し、東大寺や大安寺などは六宗兼学の寺院であったようで、後世の「宗」とは意を異にする。「南都」の語は平安遷都後に現れた奈良の別称であり、用例は平安後期の資料から散見する。「南都六宗」の語は日蓮『開目抄』上に見えるが初見は不詳である。


【参照項目】➡八宗


【執筆者:三宅徹誠】