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提供: 新纂浄土宗大辞典

こう/劫

インドの時間的単位の最長単位。Ⓢkalpaの音写語である劫波の略。また、羯臘波とも音写され、長時と意訳される。その長さの悠久さは次のように喩えられる。①四方一由旬の鉄城に芥子けし粒を満たし、一〇〇年ごとに一粒取り去ることを繰り返し、空になっても劫は終わらない(芥子劫)。②四〇里四方の石を一〇〇年ごとに細軟の布で払拭し、その石が磨滅しても劫は終わらない(磐石劫)。これらは『大智度論』五、『婆沙論』一三五等に説かれている。また、はるか永遠の時間を宇宙論的な単位として説明を試みたものでもあり、人間の寿命が増減を繰り返しながら世界が存続する間を住劫、世界が破壊していく間を壊劫、無に帰した空間の時代を空劫、再度世界が形成されていく間を成劫といい、成劫のはじめを劫初と称して成・住・壊・空の四劫を一大劫という。また、現在の一大劫を賢劫、もっとも近い過去を荘厳劫、すぐ未来の一大劫を星宿劫と呼ぶ。


【参照項目】➡由旬


【執筆者:南清隆】