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二蔵義見聞

提供: 新纂浄土宗大辞典

にぞうぎけんもん/二蔵義見聞

八巻または三巻。『釈浄土二蔵義見聞』『頌義見聞』ともいう。聖冏による自著『釈浄土二蔵義』の解説書。本書は明徳元年(一三九〇)六月に著され、『釈浄土二蔵義』に説かれる語句や教理について逐語的に解説を加えている。内容組成は、第一巻 題名釈義・三師教相義・三乗義・声聞義(一)。第二巻 声聞義(二~五)・辟支仏義・菩薩義(一)。第三巻 菩薩義(二)。第四巻 初分教義・後分教義(一)。第五巻 後分教義(二)・性頓義(一)。第六巻 性頓義(二~三)。第七巻 相頓義・厭穢義(一~三)・欣浄義・三心義雑行三福義(一~二)。第八巻 五正行義(一~三)・五念門義(一~二)・一行三昧義・四修義・外縁総願義・別願義(一~六)・五増上縁義・三輩義・九品義(一~三)・浄土一義となっている。なお、本書を三巻とするのは、第一~三巻を「小乗巻」、第四~六巻を「大乗巻」、第七・八巻を「浄土巻」とする分類による。江戸期の檀林教学にも影響を与えた聖冏教学を知るうえで、『釈浄土二蔵義』とともに重要な典籍である。


【所収】浄全一二


【参照項目】➡釈浄土二蔵義


【執筆者:東海林良昌】