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中国仏教史

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ちゅうごくぶっきょうし/中国仏教史

鎌田茂雄(一九二七—二〇〇一)著。全六巻。東京大学出版会刊。仏教とその隣接する領域にも目を配りながら、東アジア仏教圏の中核である中国仏教を究明した通史。各巻の内容は、第一巻(初伝期の仏教、一九八二)、第二巻(受容期の仏教、一九八三)、第三巻(南北朝の仏教〈上〉、一九八四)、第四巻(南北朝の仏教〈下〉、一九九〇)、第五巻(隋唐の仏教〈上〉、一九九四)、第六巻(隋唐の仏教〈下〉、一九九九)となっている。第一巻の序文に「本書は後漢以後、中華人民共和国に至るまでの中国の歴史のなかで、仏教がどのように受容され、中国社会に適合するように変容され、中国人の宗教として定着したか、という歴史過程の全体を叙述するものである」と述べているように、中国仏教史全般を網羅する意図のもとで刊行されたことがわかる。また、単なる机上の研究成果ではなく、著者の長年にわたる実地調査の成果が含まれていることも評価されている。各巻末には本文中に引用された資料が原文で並べられ、索引も付されている。当初著者は全八巻を企画していたが、全巻出揃う前に著者が逝去したことによって、唐代までの発刊で終わっている。第六巻の序文によれば、第七巻は「民衆仏教の展開」を予定していたようである。なお、著者にはこれとは別に一冊本の『中国仏教史』(岩波書店、一九七八)、および『新中国仏教史』(大東出版社、二〇〇一)がある。


【執筆者:齊藤隆信】