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上求菩提下化衆生

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じょうぐぼだいげけしゅじょう/上求菩提下化衆生

菩薩が発す菩提心の内実を二句に分けて表現したもの。略して上求下化という。自らは成仏を希求して向上しつつ、翻って広く衆生教化して仏道に導くこと。源信往生要集』上末に「〔菩提心の〕行相は総じて之を謂わば作仏を願う心なり。亦た上求菩提下化衆生心と名く。別して之を謂わば四弘誓願なり」(浄全一五・六九下正蔵八四・四八下)といい、菩薩が仏になろうと願う本来の動機そのものであって、開けば四弘誓願となる。『大般若経』に「有情類の為に大菩提を求め、亦た菩提ある故に菩薩と名く」(正蔵五・四〇三下)というように、発菩提心とは菩薩の悲心の発露であり、下化衆生が上求菩提の源となる。こうした菩薩の個々の具体的な方策が、例えば阿弥陀仏四十八願などの別願であり、法然三部経釈』には「菩薩の道を行じ給いし時の善巧ぜんぎょう方便のちかいみなこれまちまちなる事也」(聖典四・六/浄全九・四七〇下)という。上求菩提は上求仏道、下化衆生は下度衆生などともいわれる。


【参照項目】➡菩薩本願菩提心


【執筆者:小澤憲雄】