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三段式

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんだんしき/三段式

増上寺において、元旦に大僧正と山内寺院とで修される法要。「正月祝坐中の法式」であり、元朝三段式ともいう。年頭にあたり外陣げじん法要による附法講ふほうこう略式、神祇じんぎ講略式、熊野ゆや略式の伽陀を唱えて修す三つの講式を含む。すなわち浄土教弘通ぐずうした三国の諸大祖師増上寺開山歴代上人への報恩謝徳、日本国中の大小神祇仏神の法楽、そして熊野三所権現の威光倍増が念ぜられる。その後内陣において徳川家歴代の回向黒本尊阿弥陀如来への謝徳とがされる。江戸前期には附法講式(『月番日鑑』)、鎮守祭文式三段(『年中定規便覧』)が修された記録があるが、現行に近い三段式の記録は、文政三年(一八二〇)改の『年中行事』から見いだせる。現在この法要は夜半過ぎの修正会後の午前八時から営まれ、奉修後山内寺院から法主に大根料が献ぜられる。


【資料】『年中行事』(増上寺所蔵)、『月番日鑑』(『増上寺日鑑』五)、『年中定規便覧』(『増上寺史料集』二)


【参考】『三縁山三段式正五九法会』(浄土宗東京教区芝組、二〇〇八)


【執筆者:野村恒道】