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三昧場

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんまいば/三昧場

火葬埋葬をする場所のこと。三昧(ⓈⓅsamādhi)の意訳である「定」を死と結びつけて、火葬埋葬する場所をいう。日本では古来、遺体は人里から離れた場所で、風葬や土葬により葬られていたが、仏教伝来以後、火葬が行われるようになると、一定の場所で火葬埋葬をするようになり、これを三昧場と称した。三昧場には行基に関する伝承が多く、『行基菩薩草創記』には「墓地釈尊三昧の火を承け伝えて、亡者を荼毘する仏縁深き地であり、墓地三昧と称することは行基にはじまる」「行基が聖武天皇の許しを受けて、諸国に三昧を開創した」(上・六ウ・オ、趣意)などと伝える。後世行基の遺志を継ぐと称する民間僧が、三昧場で葬送に携わったことから、彼らは三昧聖さんまいひじりと呼ばれた。また、葬送や死者の供養を行うために、三昧場の周辺に作られた堂社を三昧堂という。


【資料】本良述・栄閑記『行基菩薩草創記』


【参考】伊藤唯眞「三昧聖の墓地開創伝承—『行基菩薩草創記』をめぐって」(『日本宗教の歴史と民俗』隆文館、一九七六)


【参照項目】➡三昧聖三昧


【執筆者:熊井康雄】