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三帰三竟

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんきさんきょう/三帰三竟

三帰三宝帰依)の文と三竟の文との併称。入信や出家に関わる儀式において仏教徒になることを決定し、あるいは確認するために導師伝戒師和上)が授ける。三帰は「弟子がでしとう 願従今身がんじゅうこんじん 尽未来際じんみらいさい 帰依両足尊きえぶつりょうぞくそん 帰依離欲尊きえほうりよくそん 帰依衆中尊きえそうしゅじゅうそん」と三帰の文を三回唱えて、まさに帰依おわったとして三竟の文「弟子がでしとう 願従今身がんじゅうこんじん 尽未来際じんみらいさい 帰依仏竟きえぶっきょう 帰依法竟きえほうきょう 帰依僧竟きえそうきょう」を三唱する。「尽未来際」によりこの誓願が未来永劫のものであることを表し、大乗の三帰三竟であることを示す。この文は新本『授菩薩戒儀』(聖典五・四九〇)による。『吉水瀉瓶訣しゃびょうけつ』(一、道場分)では「帰依願王阿弥陀仏 帰依浄土三部妙典 帰依極楽世界清浄大海衆」(『伝灯輯要』八三四)とあり、五重相伝では剃度式で通仏教三帰要偈道場浄土教三帰を授ける。椎尾弁匡は『正伝法』(一・四一〇)で、まず通仏教三帰で授け、弥陀一仏に帰入するよう導くのが善導の教示とし、また和語に直すと「明るく、正しく、仲よく」となると述べる(『授戒共生会、一九五一、一三四)。帰敬式では導師が、得度式剃度式等では和上が、受者に教えて唱えさせる。枕経では新亡に、施餓鬼会放生会においては餓鬼・放生するものに授与する。結婚式や子供信行道場などでは和語で唱えさせることがある。


【参照項目】➡三帰依


【執筆者:巖谷勝正】