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パーリ語

提供: 新纂浄土宗大辞典

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パーリご/パーリ語

スリランカやタイなどで信仰される南伝仏教聖典の記述に用いられている言語。サンスクリット語に対するプラークリット語の一つ。Ⓟpāli。巴利語とも書かれ、「巴」と省略される場合もある。パーリは本来、経・律・論の「聖典」を意味し、その註釈をアッタカター(Ⓟaṭṭakathā)という。これが転じて、現在では南伝の聖典を記す言語そのものをパーリ語と称している。インドの古典文章語であるサンスクリットに対して、その俗語を総称してプラークリットというが、パーリ語はその一つであり、中期インド・アーリヤ語を代表する言語である。単語や文法はサンスクリットと類似する点も多いが、例えば名詞の変化において両数がないなどの違いも多い。パーリ語で記された文献は量も多く、またその中には最初期の仏教経典も含まれており、歴史的な釈尊研究をする際には必須の言語である。


【参考】前田恵学『前田恵学集別巻一 原始仏教聖典の成立史研究』(山喜房仏書林、一九六四)


【参照項目】➡梵語


【執筆者:石田一裕】