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バクティ

提供: 新纂浄土宗大辞典

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バクティ/Ⓢbhakti

神々への絶対的で熱烈な帰依(信愛)によってすべての苦を超越し、梵我一如の境地に至れることを説くヒンドゥー教信仰のこと。ヒンドゥー教では解脱に至る方法として祭式(カルマ)、知識(ジュニャーナ)、神への絶対的帰依バクティ)を説いているが、中でもバクティを至上であるとしている。バクティの語は「参加する」を意味し、神への参画あるいは合一のこととされる。最も顕著にこの信仰が説かれているのは叙事詩『マハーバーラタ』の中の一詩編『バガヴァッド・ギーター』(ⓈBhagavad-gītā)においてである。そこでは骨肉相食む戦いを躊躇する一王子アルジュナにヴィシュヌ神の権化ごんげクリシュナが、この戦いが神の命であることを告げ、最高神に対する熱烈な信仰をもって義務を行うことによって恩寵と救済があることを諭している。バクティの目標は、神との極めて人格的な関係を通じての救済である。仏教においては、仏に導かれることへの信とともに自己に仏性が具わっていることへの信が強調される。大乗仏教では信の究極は仏となることであり、仏の本願に導かれることが信仰であると言える。したがって、バクティ仏教の信とは異なっている。


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【執筆者:田中典彦】