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入寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

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にゅうじ/入寺

住職または僧として初めて寺に入ること。中世以降の真言宗などの大寺の僧侶の階級の一つ。また江戸時代の浄土宗では、宗侶の資格を得るため関東十八檀林のいずれかに入籍することを入寺といった。その条件は、一五歳以上で「浄土三部経」が読めるもので、かつ他宗他門に関わりがない、などであった。入寺の時期は毎年正月一一日で、手続きは他門、他流に転じない誓書を出し、入寺帳に登録する着帳ちゃくちょうを済ませると入寺証を交付された。着帳されて以後の改名は、上座のものと同名などの例外をのぞき、原則許されなかった。志望者が多い江戸檀林に対する毎年の定員は増上寺七〇名、伝通院五〇名、霊巌寺幡随院霊山寺各三〇名とされ、多い場合は抽選となったが、これに加え特別に、方丈や学寮主などの直弟子似我弟子じがでしによる随時の入寺もあった。


【資料】『所化入寺掟之事』(『増上寺史料集』一)


【参考】大島泰信『浄土宗史』


【参照項目】➡入寺帳関東十八檀林


【執筆者:野村恒道】