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随聞往生記

提供: 新纂浄土宗大辞典

ずいもんおうじょうき/随聞往生記

三巻三冊。関通編。天明五年(一七八五)刊。関通の一七回忌に上梓された往生人伝。関通在世時に自ら見聞した、念仏によって往生を遂げた人々の伝記を弟子の忍阿に書き留めさせ、遺弟がその中から抜粋してまとめたものである。関通が書き留めた往生伝はこの他に『行状抜往生記』や、現存していない『諸人往生記』があり、中でも後者は三二巻、千人に及ぶ往生伝が収められていたとされる。『随聞往生記』は上巻二〇人、中巻二二人、下巻一九人の計六一人の往生人を所収しており、そのうちの一五人は、関通没後に弟子によって加えられたものである。そしてその往生人の多くが関通の住した尾張に集中している。


【所収】笠原一男編『近世往生伝集成』二(山川出版社、一九七九)


【執筆者:前島信也】