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西雲院

提供: 新纂浄土宗大辞典

さいうんいん/西雲院

京都市左京区黒谷町。紫雲しうんざん。通称を紫雲しうんせきという。京都教区№五六一。金戒光明寺塔頭たっちゅう開基は元和二年(一六一六)心誉宗厳が金戒光明寺二七世桑誉了的より紫雲石を賜り開創したのが始まり。宗厳はもと李氏朝鮮の人で秀吉の朝鮮攻略のとき帰化し、羽柴下総守しもうさのかみ滝川雄利かつとしの息女に仕え、息女逝去ののち金戒光明寺に来て山上に当寺を建立した。元和九年(一六二三)に中坊長兵衛が紫雲石を覆う紫雲石堂を建立、のち宗信が延宝八年(一六八〇)に再興した。承安五年(一一七五)法然比叡山を下り、真如堂に詣でた後この石に座り念仏を称えると紫雲たなびき光が満ちたという奇瑞を体験したとされ紫雲石と名付けられた。当院は会津藩士の菩提寺で毎年六月に会津松平家の法要が行われている。


【参考】『黒谷誌要』(浄全二〇)


【執筆者:髙橋徹真】