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西方合論

提供: 新纂浄土宗大辞典

さいほうごうろん/西方合論

一〇巻。袁宏道(一五六八—一六一〇)撰。明・万暦二七年(一五九九)成立。袁宏道は明末の居士で、湖広(現・湖北省)の出身。あざなは中朗で、石頭居士と号す。本書は刹土門・縁起門・部類門・教相門・理諦門・称性門・往生門・見網門・修持門・釈異門という一〇門を建て、各門にも一〇項目を設けて浄土教に関する諸問題を説明する。性相円融の思想に基づき浄土教こそが釈尊の教えの中、最も優れた教えであると主張する。そして『華厳経』に基づきつつ、修禅の人々に浄土教を勧めようとしている。本書は『浄土十要』の第一〇要として収録され、後に張明教が『西方合論標注』という注釈書を著し、広く流布することとなった。


【所収】正蔵四七


【参考】于海波『清代浄土宗著述研究』(巴蜀書社、二〇〇九)、周群『袁宏道評伝』(南京大学出版社、一九九九)


【執筆者:肖越】