西斎浄土詩
提供: 新纂浄土宗大辞典
さいさいじょうどし／西斎浄土詩
三巻。元・梵琦（一二九六—一三七〇）著。至正一九年（一三五九）以降の成立。念仏を勧めた詩賦。第一巻には浄土の様子と浄土への往生を強く願う懐浄土詩七七首が収められている。第二巻には人間社会の現実を見つめ、浄土とのつながりを示唆する列名浄土詩一〇八首が収録され、第三巻は『観経』の一六観について二二首、化生讃八首、善導の念仏偈について八首、懐浄土百韻詩、娑婆苦漁家傲一六首、西方楽漁家傲一六首を収める。梵琦が西斎と号するのは海塩天寧寺に隠棲した至正一九年からで、そこから梵琦が六三歳以後の著作と推測される。明末の智旭が編集した『浄土十要』の中に収められた。
【所収】『浄土十要』八（続蔵六一）
【執筆者：篠田昌宜】