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裸形阿弥陀

提供: 新纂浄土宗大辞典

らぎょうあみだ/裸形阿弥陀

裸形にあらわされた阿弥陀仏。上半身を裸形とする半裸形と全身が裸形である全裸形の二種がある。裸形のまま礼拝対象とされたのではなく、別に造った衣や袈裟を着し、安置して拝する。鎌倉時代頃から造られ始めるが、これは当代の仏教文化中で流行した生身思想や写実主義によるものと考えられている。快慶作の兵庫県小野市浄土寺阿弥陀三尊像(国重要文化財)中の阿弥陀像は、この様式を示す作例の白眉。


【参考】光森正士「阿弥陀仏の異形像について」(『仏教美術論考』法蔵館、一九九八)、伊東史朗「作品研究 阿弥陀如来坐像 大阪・法道寺蔵」(京都国立博物館『学叢』一三、一九九一)【図版】巻末付録


【執筆者:藤田直信】