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蓮門宗派

提供: 新纂浄土宗大辞典

れんもんしゅうは/蓮門宗派

一冊。編者不詳。一部は天文一七年(一五四八)の書写、その後成立。法然門下の系譜。構成としては、天文一七年に書写された西山西谷義を主とした系譜(『浄土惣系図』〔西谷本〕とほぼ同一のもの)に、鎮西白旗派を主とした系譜を追加したもので、その間に西山三鈷寺さんこじ伝持次第二尊院住持次第を挟み込んでいる。さらに末尾に浄土先達として浄土教の諸師を挙げ、最後に浄土宗派略図を載せている。またこれらの系譜は主だった諸師に略伝を添えている。冒頭の系譜は浄土三国伝灯祖師を示した後、改めて釈尊からの相承法然の門下に至っていることを記し、次いで証空から西谷の浄音の流れを詳記し、西山派を終えると長西ら他流の弟子たちに及んでいく表記である。さらに法然に師弟の礼をとった出家・在家の弟子たちや、時宗の法系まで列挙している。なおこの『蓮門宗派』の系譜は『宗派流伝』などと共に『浄土源流(章)図』に採り入れられている。


【所収】野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』(青史出版、二〇〇四)


【参考】野村恒道・福田行慈・中野正明「日本浄土教諸系譜の研究—法然門下系譜の脈流考—」(『仏教文化研究』三〇、一九八五)


【執筆者:野村恒道】