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蓮門住持訓

提供: 新纂浄土宗大辞典

れんもんじゅうじくん/蓮門住持訓

正続二巻。正編は貞極、続編は仏定の述。正編の成立年次は不詳。貞極の生存年次からおそらくは一八世紀前半の成立か。続編には開版された寛政一一年(一七九九)の奥付がある。浄土宗僧侶のあり方について事細かく説示した教訓。正編では檀家への念仏教化と亡き霊への追善供養を怠ることがあってはならないという根本的なものや、塔婆を風呂の焚きつけにしてはならない、弟子は小間使いにしてはならない、酒を飲まなくてはならないときでも酔ってはならないなど、生活における諸問題を扱っており、当時の僧侶の状況などを知ることができるのみならず現代に通じる教訓を得られる。続編は仏定が本書に感動して著したもので、勉学に関することが強調され、法務の間に仏教書を読み、一切経被閲の願を起こすべきであるといった説示が目に付く。版本に寛政一一年、文政七年(一八二四)版があり、寛政版には伝通院沙門尸羅しらの加筆がある。昭和四四年(一九六九)に浄土宗宗務庁から、同じく浄土宗より平成一七年(二〇〇五)に現代語訳が刊行されている。


【所収】『四休菴貞極全集』中(西極楽寺、一九三一)


【参考】昭和四四年版『蓮門住持訓』序


【執筆者:郡嶋昭示】