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自慶偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

じきょうげ/自慶偈

得度式において一通りの教誡が終わり和上から授与十念を受けたあとにこの法縁を得た喜びを表明する偈文。教授師が教えて唱えさせる。「遇哉値仏者ぐうさいちぶつしゃ 何人誰不喜がにんすいふき 福願与時会ふくがんよじえ 我今獲法利がこんぎゃくほうり」。『四分律行事鈔』(正蔵四〇・一五〇中)に出る。仏と相い離れないことを誰が喜ばない者があろうか、この願いがこの時と機会を与え、ついに今法利を得たの意。『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』上の剃度略作法式(四一オ)は『法苑珠林』二二(正蔵五三・四四八中)を継承して「慶荷偈」と題し、『浄土剃度略式』(文政四年〔一八二一〕)には、三帰三竟を授けたあと、仏前に進みこの偈を三回唱えさせるとある。


【執筆者:巖谷勝正】