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義和

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぎわ/義和

一二世紀頃、生没年不明。円証(澄)。中国宋代の華厳系浄土教者。杭州慧因院に住持し、多くの華厳文献を校訂、開版している。晩年、平江府(現・江蘇省蘇州)能仁寺に退き、浄土に関する伝録等を読むも、いまだ華厳円融の念仏法門がないとして、自ら『華厳念仏三昧無尽灯』一巻を著す。この書は現存しないが、『華厳経』の宗旨に則して、偏に西方浄土を讃じ、念仏往生の法を説いたものと考えられる。乾道元年(一一六五)に臨安府(現・浙江省杭州)慧因院で書かれた序文と本文の一節、范成大による後跋のみ『楽邦文類』中に現存する。


【参考】中村薫『中国華厳浄土思想の研究』(法蔵館、二〇〇一)、吉田剛「杭州慧因院(高麗寺)における華厳学の動向」(『仏教学研究』韓国仏教学研究会、二〇〇四)


【執筆者:吉水岳彦】