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浄業知津

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうごうちしん/浄業知津

一巻。清・悟開(—一八三〇)撰。光緒八年(一八八二)刊。悟開は蘇州の人。張氏の出で、あざなは豁然。雲水道人と号し、晩年に霊巌山の宝蔵庵に住し、清末の浄土教者として知られる。本書は、悟開が道光九年(一八二九)に在家女性唐貞のために持戒称名念仏の要義を解説したもの。世間の苦と極楽の楽を比較しながら、念仏による極楽往生を勧めている。念仏の修し方に関し、眼を閉じて念仏すれば心が散乱しにくく、念仏の声を聴くことと阿弥陀仏への想いが相互作用して絶えることなく続くこと、また、「南無阿弥陀仏」という六字と「阿弥陀仏」という四字のいずれを称えても効果は同じであることなどが説かれており、『四十華厳』の「普賢菩薩行願品」に説かれている礼拝懺悔等の儀式も勧めている。また本書には当時の儒・仏混淆の特徴も見られる。


【所収】続蔵六二


【執筆者:肖越】