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浄土依憑経論章疏目録

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどえひょうきょうろんしょうしょもくろく/浄土依憑経論章疏目録

一巻。長西撰。『長西録』と通称される浄土教関係典籍の目録。成立年代は不明。群経・諸論・釈経・集義・別出・修行・讃頌・伝記・雑述・偽妄の一〇篇からなり、総計五百余部の書目が記載されている。経典をはじめ中国・朝鮮・日本の章疏類までを網羅し、現在すでに散逸してしまった典籍も数多く記載されるなど、鎌倉時代中葉の浄土教典籍の流伝状況を伝える重要資料である。近年、寛永二一年(一六四四)書写の写本が影印翻刻され、仏全本など従来知られていた伝本に大きな欠落箇所が存在することが判明した。なお『蓮門類聚経籍録』等に『長西録』を二巻とし、上巻は長西の真撰で下巻は後人の追加とする記述がみられるが、これは寛文二年(一六六二)版『長西録』に『浄土正依経論書籍目録』(撰者不明)が附録・合冊されていることによる。


【所収】仏全一、真宗全書七四、小山正文「寛永二十一年本『浄土依憑経論章疏目録』」(『同朋大学論叢』六二、一九九〇)


【参考】藤堂恭俊「浄土依憑経論章疏目録解題」(仏全九九、一九七三)、吉田淳雄「長西録の成立年時について」(『金子寛哉博士頌寿記念論集 中国浄土教とその展開』文化書院、二〇一一)


【執筆者:吉田淳雄】