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浄土三部経概説

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどさんぶきょうがいせつ/浄土三部経概説

坪井俊映著。浄土宗正所依の経典たる「浄土三部経」を浄土宗の伝統的な解釈の立場から概説し、経典の全文にわたって解釈を施したもの。当初、昭和三一年(一九五六)八月、法然七五〇年遠忌(同三六年)に先立つ記念事業の一つとして隆文館より出版され、同四〇年、同四六年に改訂増補版が同社より刊行された。その後の研究成果を取り入れ、全面的に書きあらためて、平成八年(一九九六)に法蔵館より刊行された。戦後の浄土宗にあっては唯一と言うべき、伝統的解釈に基づく三部経研究であって、宗内外において浄土宗の標準的な解釈を示す書と位置付けられた。全体の構成は、緒論、無量寿経概説、観無量寿経概説、阿弥陀経概説からなり、緒論では、三部経の選定、阿弥陀仏経典の成立、浄土教諸宗派の三経観として、三部経全体にかかわるテーマを論じ、続いて三部経それぞれについて、総論、要文の略釈、漢文和訳対照講義を述べている。総論では諸本および漢訳の問題、伝播、梗概、分科、注釈について述べ、要文の略釈では、経典の内容について宗義上の要点の問題点を整理解説し、漢文和訳対訳講義では、科文ごとに区切り、上段に漢文、下段に書き下しを対照し、最下段に語釈を附す。それに続けて、当該箇所の達意的な現代語訳を含んだ解説を付している。昭和六三年(一九八八)には李太元により韓国語訳が出版された。


【執筆者:齊藤舜健】