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永井の大念仏剣舞

提供: 新纂浄土宗大辞典

ながいのだいねんぶつけんばい/永井の大念仏剣舞

盛岡市永井に伝わる念仏踊り。岩手県では盆に念仏芸能が各地で行われているが、永井の大念仏大念仏剣舞のもっとも古い型を伝えていると言われ、数多くある大念仏剣舞の代表的なものである。万治二年(一六五九)に武蔵国法母寺祐元よりこの地に伝えられたのが起源と言われている。年忌供養として盆に行われていて、円形の大きな台に塔をつけた大笠を振るのが特色である。踊り子は鉦を鳴らす「かねはり」二人、ふくべを持つ「ふくべふり」六人、逆さ太刀を持つ「太刀踊」二人、扇を持つ「扇踊」三人、唐団扇を持つ「唐団扇」四人(あるいは二人)で、全員が花笠をかぶる。踊りには、「入羽」「中羽」「引羽」の三段があり、次いで「念仏太鼓」「笠振り」「廻り胴」「礼踊」と次第が進む。また、「入羽」と「中羽」の冒頭で「南無阿弥陀仏」を歌にして称える。昭和五五年(一九八〇)に国の重要無形民俗文化財に指定された。


【参考】佛教大学民間念仏研究会編『民間念仏信仰の研究 資料編』(隆文館、一九六六)


【参照項目】➡念仏踊り


【執筆者:齋藤知明】