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横の三心・竪の三心

提供: 新纂浄土宗大辞典

おうのさんじん・じゅのさんじん/横の三心・竪の三心

三心具足する過程において、時を同じくして具足する(横)のか、次第具足していく(竪)のかの違いを表したもの。これらは別のものではなく開合・広略の異なりである。竪の三心とは『観経』に「一つには至誠心、二つには深心、三つには回向発願心なり」(聖典一・三〇六/浄全一・四六)とあるように、各別に説いた三心を段階的に具足していくことを指す。横の三心は「南無阿弥陀仏というは、別したることには思うべからず。阿弥陀ほとけ、我を助け給えという言葉と心得て、心には阿弥陀仏助け給えと思いて、口には南無阿弥陀仏と唱うるを、三心具足名号と申すなり」(『四十八巻伝』二一、聖典六・二七八)とあるように、往生を願い一向念仏することにより自ずから三心具足することなどを指す。また、それぞれの機根横機・竪機という。


【資料】『疑問抄』下、『授手印』(聖典五)


【参照項目】➡横機・竪機行具の三心・智具の三心


【執筆者:朝岡知宏】