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戒学点描

提供: 新纂浄土宗大辞典

かいがくてんびょう/戒学点描

大野法道著。昭和三四年(一九五九)七月、浄土宗刊。本書は同三六年の法然上人七五〇年遠忌の記念事業の一環として書かれた戒学の概説書である。内容は、戒学の意義、戒学の推移、戒学の種別、戒体論について示される。その中、戒学の推移では、原始から部派時代における戒と律の起源と展開、そして大乗時代以降の印度、中国、日本における戒学の思想や様相の変遷について概説されている。また、戒学の種別では、戒学を原始戒、小乗戒、大乗戒、地持戒円戒に分けて経戒、戒条、受戒法等について解説する。本書を出版するにあたって、当時の浄土宗宗務総長小林大巌は序文にこの書が仏教の戒学、特に円頓戒を知る機縁となることを希求すると示している。


【執筆者:髙津晴生】