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念仏本願義

提供: 新纂浄土宗大辞典

ねんぶつほんがんぎ/念仏本願義

一巻。伝長西撰。『選択集』とくに第三章段に見られる諸行非本願的な説示に対して、第二十願は諸行往生本願であるとの立場から会通を試みたもの。その主張は、『選択集』の所論は第十八願の念仏往生に限定してのものであり、決して諸行本願の義を否定しているわけではないというもので、『選択集』の他章の文および法然無量寿経釈』の文に依ってその証明を図っている。本書の著者について、一般には長西とされているが根拠は曖昧であり、長西門弟である念空道教の著ではないかとする説もある。


【所収】浄全八


【参考】石井教道『選択集之研究 注疏篇』(誠文堂新光社、一九四五)、吉田淳雄「『念仏本願義』について」(『佛教大学総合研究所紀要別冊・浄土教典籍の研究』、二〇〇六)


【執筆者:吉田淳雄】