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御霊祭

提供: 新纂浄土宗大辞典

みたままつり/御霊祭

盆や大晦日、元日などに先祖の霊を祭ることをいう。「み」は敬意を表す接頭語で、「御霊」は神霊・死霊の尊称。『日本書紀』では古くからあった「みたま」に「御霊」の字を当てはめたが、天皇家の皇祖神祇の御霊で平和な先祖の霊であった。仏教の関与の結果、死霊のうち新しいみたまを精霊しょうりょうというようになった。正月は盆とともに魂祭たままつりの時期であり、民俗的には盆の精霊と正月のみたまとは区別されるようになった。これとともに盆の「精霊棚」に対して正月は「恵方棚」といい、「位牌」に対しては「しろ」とされるようになっていった。御霊を他の場所に移すことを御霊うつし、かわって祀るものを御霊代みたましろという。御霊祭のときに供えるものは握り飯が多いが、これを御霊のめし、鎮めまつる所を御霊屋といった。


【参照項目】➡霊魂


【執筆者:藤井正雄】