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役僧

提供: 新纂浄土宗大辞典

やくそう/役僧

寺院の事務を取り扱う僧のこと。また法要の諸役を務める僧をいう。近代までは事務を分担する僧の役職を役僧といい、そのうち出納事務を担当する者は納所なっしょといった。事務的な手紙のやりとりで個人を特定せず役僧宛てに、○〇寺御役僧中と宛名を書いたり(例えば「明顕山寺録撮要」〔『祐天寺史資料集』一上・六、祐天寺、二〇〇二〕には、名主からの書状の宛先が「祐天寺御内御役僧様」とある)、棟札にそのときの事務を担当した僧が役僧として記されるなどの記録(例えば「阿弥陀堂修復棟札」〔『寺宝で綴る祐天上人祐天寺祐天寺、二〇〇五〕)がある。特に江戸時代、知恩院増上寺等の本山檀林等で事務を取り扱う僧は役者といい、学問・才能の優秀な者が選ばれて任にあたった。増上寺山内機構としての役僧は、役者手代てがわり(下司げし)を務める四人の僧をいう。一宗一山支配下寺院からの諸願届などの取り調べ、御触おふれの伝達などに従事し、縁輪席えんりんせき扇間席おうぎませきより選出された(佐々木洋之「『増上寺史料集』主要語句理解の手引き」増上寺史料編纂所『所報』七、一九八三)。現代では法要の諸役を担当する僧を指し、葬儀や法要における脇導師ばい洒水散華等も役僧の諸役である。特に住職のそばに仕え世話をする役を侍者という。


【参照項目】➡侍者


【執筆者:巖谷勝正】