操作

弥陀神呪

提供: 新纂浄土宗大辞典

みだしんじゅ/弥陀神呪

浄土往生をかなえるために唱える呪。根本陀羅尼(大呪)に対し弥陀神呪を小呪、小真言という。弥陀神呪と呼ばれる所以は『諸回向宝鑑』『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』にそう呼称されていることによる。「唵 阿蜜㗚多帝[目曳(要作字)] 賀囉 吽」(ⓈOṃ amṛta-teje hara hūṃ、オーン。甘露の威光ある尊よ。運載したまえ。フーン)(『梵字大鑑』五八六頁)。『無量寿軌』にはこの呪を一〇万遍誦えると極楽往生が叶うという。『九品往生阿弥陀三摩地集陀羅尼経』にもこの呪の果報が説かれる。


【所収】不空訳『無量寿如来観行供養儀軌』(正蔵一九)


【参考】種智院大学密教学会編『梵字大鑑』(名著普及会、一九八三)、中御門敬教「阿弥陀仏儀軌書における往生観の受容と統合—『無量寿如来観行供養儀軌』を事例として—」(『仏教文化研究』五二、二〇〇八)


【参照項目】➡九品往生阿弥陀三摩地集陀羅尼経根本陀羅尼


【執筆者:中御門敬教】