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字・綽

提供: 新纂浄土宗大辞典

あざな・あだな/字・綽

字は男子が元服したのち実名じつみょう以外につける別名や通称であり、綽(渾名とも)は他人が当人の実名の他につけた名前。字は中国でおこった風習で、実名を知られることを忌み嫌うという思想に基づき、実名を呼ぶことを不敬と考え、一般には字を通用させるようになった。日本では奈良朝に導入されたが、儀礼的で生活に密着しなかったため、平安末から鎌倉時代には廃れた。それに代わって禅僧の間で法名の上に二字の字を連称するようになった。


【参考】武藤元信「命名考」(『武藤元信論文集』武藤元信遺著刊行会、一九二九)、玉村竹二「禅僧称号考」(『日本禅宗史論集』上、思文閣、一九七六)


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【執筆者:𠮷水成正】