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奉加

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほうが/奉加

寺社の造営、仏像の造立あるいは橋梁の建造などに際して寺社側の勧進に応じ、金品や財物を寄進してこれを援助すること。奉納・寄進・布施などと同様の行為を指すが、特に寺社の勧進に応えてなされる場合を奉加という。奉加の用例としては、『源平盛衰記』一八「文覚高雄勧進」に、「知識奉加勧進にて、自他の利益を遍くせんと思いつつ、十方上下の助成を申行いける程に、或る時、院の御所法住寺殿に参りて御奉加の由言上す」とある。また奉加の文物の内容は、施主によって様々であるが、『吾妻鏡』嘉禎四年(一二三八)一〇月三日条には「今日鞍馬寺上棟、将軍家より御奉加あり。馬三びき、御けん、砂金等なり」とある。奉加は古代の行基による大仏勧進にその先例を見ることができるが、財物を神仏に寄進することによって利益が得られると理解されて、中世以降、急速に社会的な広がりを見せた。なお施主名や寄進物の内容・金額などを記した帳簿を奉加帳と呼ぶ。


【参照項目】➡勧進


【執筆者:舩田淳一】