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大悲の筏

提供: 新纂浄土宗大辞典

だいひのいかだ/大悲の筏

衆生娑婆世界から浄土へ導かんとする法蔵菩薩の大悲によって発された誓願を、人や物を対岸へ渡す筏にたとえた言葉。聖光授手印』の序に「法蔵菩薩の大悲誓願の筏、今の弥陀覚王の広度衆生の船」(聖典五・二二三)とあるのが初出。阿弥陀仏誓願を筏にたとえることは、法然が『逆修説法一七いちしち日に「次には道の先達の為に来迎したもうなり。或は往生伝沙門志法の遺書に曰く、我、生死の海に在て、幸に聖の船筏に値り」(昭法全二三五)といっているなど、少なからず見られる。


【執筆者:郡嶋昭示】