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提供: 新纂浄土宗大辞典

こえ/声

感覚器官の一つである耳の対象となり、聴覚的認識を生ぜしめる外的対象をいう。五境六境の一つとされ、耳で聞こえる音声全般を指すしょう境をいう。また、聴覚の領域に入ってくるものであるから声処ともいい、認識が生ずる要素(界)という観点からは声界ともいわれる。古代インド哲学ではその本質を巡って議論され、バイシェーシカ学派は声(ⓈŚabda)を語の意としてインド古来の声無常論を支持し、仏教とは対照的にミーマーンサー学派は声常住論を唱え、六〇〇年頃に言語哲学者バルトリハリは言語の本体をスポータ(Ⓢsphoṭa)に求め、蕾から花が開くように、ことばが発せられるとその威力が溢れでると説いた。


【参照項目】➡六根・六境・六識


【執筆者:藤井正雄】