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唯信鈔

提供: 新纂浄土宗大辞典

ゆいしんしょう/唯信鈔

一巻。聖覚著。承久三年(一二二一)撰。法然開顕の専修念仏義をまとめたもの。本文は前後二段にわかれ、前半部に聖浄二門、正雑二行など専修念仏義の大綱を述べ、後半部では臨終念仏宿善の有無など四つの問答を展開し、信心決定の念仏を勧める。法然没後の一念多念論争の中で、往生称名の遍数によるのでなく弥陀本願を信じ念仏することによるとし、信心を強調した。親鸞が勧めたことは有名。


【所収】続浄九、真宗聖典


【参考】細川行信『唯信鈔講讃』(東本願寺出版、一九七八)、松本史朗「『唯信鈔』について」(『駒沢大学仏教学部研究紀要』五七、一九九九)、平松令三「唯信鈔の問題点—平雅行・松本史朗両氏への反論—」(『高田学報』九三、二〇〇五)


【執筆者:藤田真隆】