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唐朝京師善導和尚類聚伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

とうちょうけいしぜんどうかしょうるいじゅうでん/唐朝京師善導和尚類聚伝

一巻。『京師和尚類聚伝』ともいう。建保二年(一二一四)頃に成立。著者名を記載していないため、著者については諸説存在する。しかし『長西録』に「京師和尚類聚伝一巻 幸西成覚房」(仏全九六・一四九)とあり、また現存する写本の奥書幸西弟子の名が見られることから、幸西の著述であるとされている。中国撰述の諸伝記の中から、善導伝および諸師伝より善導に関する記事を抜粋収集し、列挙したもの。本書は宋代に成立した伝記が大半を占め、渡来したばかりの文献に対する強い関心がうかがえる。さらに佚書からの引用もあり、貴重な資料の一つといえる。


【参考】小笠原宣秀「唐朝京師善導和尚類聚伝に就いて」(『龍谷学報』三一〇、一九三四)、松野純孝「宋代浄土教と一念義(上)」(『金沢文庫研究』七・一、一九六一)、稲田順学「入宋僧明信大徳とその周辺—浄土宗一念義の聖教開版—」(『香川孝雄博士古稀記念論集』永田文昌堂、二〇〇一)


【参照項目】➡善導和尚類聚伝


【執筆者:伊藤瑛梨】