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各宗協会

提供: 新纂浄土宗大辞典

かくしゅうきょうかい/各宗協会

条約改正にともなう外国人の内地雑居を警戒する仏教各派が、明治二二年(一八八九)に設けた協会。改正条約の実施によってキリスト教の勢力が拡大することを予想した仏教側は、これに対抗して自らを公認教として指定するよう求める運動を展開した。その年、築地本願寺に各宗管長およびその代理が集まり、各宗協会は設立された。同年には各宗管長連名の公認制定請願書を内務大臣宛に提出し、同二六年頃から内務省内で仏教キリスト教とを同列に置く宗教法案の準備が進められると、これに反対する立場から、内相や法制局長官に自案の仏教法案を提示した。協会は以後例年開催され、同三二年に各宗管長会へと発展した。


【参考】山口輝臣『明治国家と宗教』(東京大学出版会、一九九九)、柏原祐泉『日本仏教史 近代』(吉川弘文館、一九九〇)


【参照項目】➡各宗管長会


【執筆者:小川原正道】