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南無阿弥陀仏作善集

提供: 新纂浄土宗大辞典

なむあみだぶつさぜんしゅう/南無阿弥陀仏作善集

一巻。鎌倉時代初期に東大寺復興に活躍した俊乗房重源自らが記録した作善活動の記録。「南無阿弥陀仏」とは重源の呼称である。原本は東京大学史料編纂所が所蔵。国重要文化財。構成はまず「奉造立修復大仏幷丈六仏像員数」として目録をあげ、次に東大寺、七別所を中心とする造寺造像の諸善を記する部分と、それ以外の諸々の善業を記する部分の二段からなる。料紙には建仁三年(一二〇三)七月「備前国麦進未幷納所所下惣散用状」の紙背を利用する。重源の事跡を知るのみならず、歴史学・宗教史・美術史・文学・考古学にも重要な資料である。


【所収】奈良国立文化財研究所『南無阿弥陀仏作善集』(『奈良国立文化財研究所研究史料』一、真陽社、一九五五)、東京大学史料編纂所編『平安鎌倉記録典籍集』(『東京大学史料編纂所影印叢書』二、八木書店、二〇〇七)


【参考】小林剛『俊乗房重源史料集成』(吉川弘文館、一九六五)、同『俊乗房重源の研究』(有隣堂、一九七一)、中尾尭「重源における作善の意義—『南無阿弥陀仏作善集』の分析を中心に—」(下出積与編『日本史における民衆と宗教』山川出版社、一九七六)


【参照項目】➡重源


【執筆者:南宏信】