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南海寄帰内法伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

なんかいききないほうでん/南海寄帰内法伝

四巻。『大唐南海寄帰内法伝』『南海寄帰伝』ともいう。義浄撰。唐・天授二年(六九一)刊。義浄がインド、那爛陀ならんだ(ⓈNālanda)寺での衣食住にわたる戒律の実態と、その帰路、南海諸国で親しく見聞した実際の生活について、室利仏逝国シュリーヴィジャヤこく(現在のインドネシア、スマトラ島の一部)に四年間滞在する中で、主として説一切有部の所伝に基づき執筆し、中国へ送付したもの。四〇章から成り、当時のインドから中国への仏教伝授の誤りを指摘し、正そうとする内容をもつ。


【所収】正蔵五四


【参考】宮林昭彦・加藤栄司『現代語訳南海寄帰内法伝』(法蔵館、二〇〇四)


【参照項目】➡義浄


【執筆者:永田真隆】