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別異弘願性戒鈔

提供: 新纂浄土宗大辞典

べっちぐがんしょうかいしょう/別異弘願性戒鈔

一巻。『別異弘願集』ともいう。静遍じょうへん述。『往生礼讃』にみえる専修・雑修の得失について詳述したもの。千中無一雑行について一三の得失を述べ、第十八願の称名念仏が無比の往生行であることを説示している。専修一行を支持しながらも、念仏真言を同一の醍醐味とし多念称名を策励するなど、『選択集』を称揚しつつも法然と異なる念仏観に立っており、著者が真言密教念仏勧進に関連することが示唆される。本書の著者については、硲慈弘が禅林寺静遍でなく天台僧浄遍とする説を提示したが、禅林寺静遍の作とすることが穏当である。


【所収】『金沢文庫資料集』仏典四、浄土篇一(神奈川県県立金沢文庫、一九八〇)


【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学五・六、一九三三)、硲慈弘「別異弘願集の作者浄遍について」(浄土学一〇、一九三六)、石田充之『法然上人門下の浄土教学の研究』下(大東出版社、一九七九)


【参照項目】➡静遍続選択文義要鈔


【執筆者:伊藤茂樹】