上下二巻一冊。大玄撰。「宝暦乙亥春三月」（宝暦五年〔一七五五〕）の跋がある。吉水正統の円頓戒の復興を強く主張し、従来浄土宗において流布していた布薩戒が妄伝であることを明らかにしている。序において、霊円の遺稿である『温故編』の記述が不十分であるので、欠けている所を増補し、さらに霊公以後の邪正を弁ずると記している。二二章から成り、上巻に第一～八、下巻に第九～二二を収める。
【執筆者：原口弘之】
